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全国コミュニティ・スクール連絡協議会 Japanese Council Of Community Schools

 <第11回 岩手県岩泉町> 平成24年9月13日掲載

コミュニティ・スクールが生徒・職員・地域住民の意識を変えた

                                   岩泉町立小川中学校 校長 田鎖 敏昭

1 コミュニティ・スクール導入の経緯  
 本校は山間部に位置し、全校生徒53名の小規模校であるが、生徒数の割には学区が 広く、生徒は4つの小学校から入学してくる。各小学校区とも運動会など地域コミュニティの 活動は活発であるが、広域化した中学校区のコミュニティ活動の場合は参加者が少なくな る等の課題があった。また、少子高齢化が進み、中学生のいる世帯は全世帯数の5%程 度であり、中学校の教育活動に対する無理解からクレーム等も多くなってきていた。   このようなことから、4つの小学校間をつなぎ、地域と中学校との連携を強化することを目 的に、平成21年度にコミュニティ・スクールを導入することとした。委員は各小学校区の住 民(4名)、中学校保護者(2名)、校長、同窓会関係者、学識経験者、行政機関・団体等の 関係者(各1名)の10名である。

2 学校運営協議会の様子  
 学校運営協議会は年間に6回(ほぼ偶数月)開催し、第1回は年間計画や予算について、 第2回〜第5回は途中経過や中間評価について、第6回は年間評価と次年度計画について 話し合っている。  会議はいつも温かい家族的な雰囲気の中で行われ、委員の皆さんからは建設的な意 見を頂くことが多い。時には学校に対するお褒めの言葉や感謝の言葉を頂くこともあり、職 員の大きな励みとなっている。 今年度の第1回会議では、生徒会の取組の1つとして合唱に力を入れることを説明したと ころ、地域の行事の中で披露する機会を持ったらどうかという意見を頂いた。出席していた 学校職員も前向きに考えたい旨の意見を述べ、休日ではあったが地域の「産直市」で披露 することとなった。当日は、希望者の参加であるにもかかわらず全校生徒の6割が参加し、 高齢者が多い中で中学生のさわやかな歌は大いに会場を盛り上げ、主催者や地域の方か らとても喜ばれた。

3 コミュニティ・スクールの成果
 前述のような活動を続けていくうちに、生徒や職員、地域住民の意識が変わってきた。  生徒は地域でもよく挨拶するようになり、中には、生徒に声をかけてもらうのを楽しみに、 下校時刻近くになると外に出て待っているお年寄りもいるとの話も頂いた。また、地域行事 に積極的に参加する生徒が増えてきた。  職員も地域の行事に積極的に参加したり協力したりする姿勢が強くなった。  地域の人たちも、学校がより身近になったためか、学校に対するクレームは全く無くなっ た。本校では毎年資源回収を行っているが、以前は「せっかく物を出していたのに取りに来 なかった。」というクレームがあった。今年度も回収漏れの物があったが、「出していたのに 持って行かなかったようなので、いつでもいいから取りに来てください。」と家の場所を説明 しながらの丁寧なお話を頂いた。地域と学校の信頼関係の大切さを感じた出来事である。  また、家庭科の郷土食を学ぶ授業の講師を依頼するような場合も、学校運営協議会の委 員を通じてスムーズにお願いできるようにもなった。

4  課題と今後の展望  
 現在、4つの小学校の内1校がコミュニティ・スクールを導入しているが、委員を引き受け て下さるような地域の人材は共通していることが多い。学校運営協議会の一元化も検討し ていく必要がある。その場合、制度を導入していない他の3校との兼ね合いも課題ではあ るが、中学校区を単位とした、小中の一貫的な教育を行うコミュニティ・スクールも見えてく る。


文部科学省初中教育ニュース(初等中等教育局メールマガジン)
『コミュニティ・スクールの(学校運営協議会制度)」の取組事例[初等中等教育局参事官(学校運営支援担当)付より

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